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大丈夫な方はレッツスクロール。
連れてこられたのは2人が短い時を過ごしたユダの屋敷だった。
大公に即位したユダの住居は宮殿へと移ったが、ユダが慣れ親しんだこの屋敷を手放すことはなく、今もなお別邸として管理されていた。
あの時シンが爆破した玄関もしっかりと修繕済であり、あの襲撃を思わせるようなものは何一つ残っていない。
シンが世話になり、ユダと心を通わせ、そして決別を覚悟した場所だ。
自然と感慨深い思いが浮かんでくるが、残念ながらそんな感情は無表情なユダの前ではあっという間に消えてしまった。
ホテルではこれでもかというほど周囲に愛想を振りまいていたユダではあったが、ひとたび車を発進させてしまえば一転して無表情になってしまったのだ。
それはもう声をかけることすら躊躇われるほどに。
腕を引かれるままに階段を上り、連れてこられたのは2人が数日を共に過ごしたユダの私室だ。
「ぁ…ユ、ダ…っ…」
部屋に入るなり扉に押し付けてその唇を奪う。
驚いたような抵抗も、やがては大人しくなる。
たどたどしいながらも応えるのは、ユダの教育の賜物だ。
柔らかい唇を堪能しながら、中で震える舌を探し出し深く絡める。
「ん、っは…ぁ…」
呼吸すら奪い尽くす口づけは、ユダにしては珍しい。
苦しそうに漏れる声は官能と同時に息苦しさからもきているのだろう。
溢れる唾液が飲み込みきれなくて顎へと伝って落ちる。
それをねっとりと舌で舐め上げれば、敏感なシンの身体はそれだけでびくんと震えた。
口内に感じる口紅の味。
シンとのキスで決して味わうことのないだろうそれに違和感を感じながらも、普段とは違う化粧を施されたシンの容貌を、ユダはまじまじと見つめた。
長い睫に縁どられた瞳は普段の黄金とは違い、銀色にも見える青灰色。
絹糸のように艶やかな髪はウェーブを描き、シンの頬へとゆるやかな曲線を描いている。
シャドウもチークも控えめながら可憐なシンを作り出しているが、とどめはやはり美しいラインを見せるドレスだろう。
シンはれっきとした男性だが、標準体型に比べれば明らかに細身だ。
肩幅も狭く、腰なんてユダが抱え込めるほどしかない。
そんなシンの美しい身体を更に美しく、そして女性らしいラインに見えるように工夫された服は一体誰がデザインしたのだろうと思うほどにはシンに似合っていた。
どこからどう見ても女性である。
しかも極上の美女。
ホテルのエントランスで騒がれたのはユダが原因なのは間違いないが、相手がこのシンだったからに他ならない。
独身のユダが女性と逢っていようと問題はない。
むしろ大公の結婚という吉事に繋がるのではと色めく人も多いだろう。
そんなユダの相手が、非の打ち所がないほど美女である。
騒ぐなという方が無理だろう。
勿論、ユダはわかっていてそれを利用したのだが。
そうでもしなければあの時のシンはどうにかして逃げそうだったのだ。
ユダを認めた途端にシンの表情に浮かんだのは「しまった」という顔だった。
当然だろう、ユダはシンの単独行動を固く禁止していたのだから。
シンがユダに無断で単独行動を起こしたたのはこれで2度目だ。
1度目は大学を辞めようと退学届を出しに出かけた時。
あの時は母校にやってきた過激派に巻き込まれた。
幸い素人に毛の生えた程度の烏合の衆だったために、シンと後から合流したレイとガイの力によってあっという間に沈静されたのだが、ユダにしてみれば自分に黙って出かけたシンがそんな事件に巻き込まれたのだから心配するのは当然。
勿論その時はしっかりとユダがどれだけ心配したかをシンの身体に教え込んだのだが、どうやらシンはユダの気持ちをわかってはくれなかったらしい。
これはやはりもう一度しっかりと叩き込む必要があるらしい、とユダは口元に笑みを浮かべる。
キスの刺激でいっぱいいっぱいになっているシンは、ユダの企みにまだ気づかない。
ただ、これから行われることはわかっているはずだ。
これでわかってもらえていなかったら、ちょっとどころではなく悲しい。
「さて、シン」
「ひゃぅっ!」
耳朶を噛まれて耳元で囁かれ、シンが小さく悲鳴を上げる。
シンの弱いところは、ユダは誰よりも知っている。
ちゅ、と首筋にキスを落とせばそれだけで震える。
耳の裏から首筋にかけて指を滑らせ、シンの顎を持ち上げた。
快感にとろけた表情は、普段以上にクるものがある。
まるで男を誘っているかのような表情。
これが無意識なのだから怖い。
「悪い子にはお仕置きをしなくてはいけないな」
「ユ、ダ…」
少しだけ怯えた表情を見せるシンに、己の加虐性を刺激される。
仕方ない。
悪いのはシンなのだから。
せいぜい良い声で啼いてもらおう。
「返事は? シン?」
「は…い…」
「いい子だ」
躊躇いながら頷いたシンに、ユダは満足そうに笑って優しく唇を塞いだ。
◇◆◇ ◇◆◇
「や…ぁ…」
背後から深く押し入られて、揺さぶられて。
のけぞった背中を唇で責められる。
ユダがシンのナカをこすり上げるたびに、全身に電流が走る。
限界まで拡げられたそこから与えられるのは、痛みよりも凄絶な――悦楽。
逃げることもできないシンは、ユダの目の前で艶やかに乱れる。
快感が強すぎて可笑しくなってしまいそうだった。
「や…っ、ユ、ダ…もぅ…」
「まだ大丈夫だろう…ほら」
「あ…ぁっ!」
張りつめた己自身を握り込まれて、シンはいやいやとかぶりを振った。
長い指がシンを絡め、そして絶頂へと導いていく。
ユダによって開発されユダの望むように仕込まれた身体は、それだけで簡単に果ててしまう。
もう何度イかされたかわからない。
体位を変え角度を変え、そうして執拗に嬲られた。
ユダ自身も何度解放しただろうか。それすらわからない。
そもそも一体どれだけの時間が経っているのだろうか。
いい子だと言われ口づけをされ、それから先はユダの望むままに全てを委ねた。
その時からずっと、室内は濃密で淫靡な空気に満たされている。
「ユダ…もう、も…ぅ…っ」
どれほど懇願してもユダの愛撫がやむことはなく、むしろ更にシンの弱いところを突いてくる。
感じすぎて瞳から溢れてくる涙を、ユダの唇が吸い取っていくが、そんな些細な刺激すら今の身体にはつらい。
限界だと訴えているのに、それでもユダは行為を止めることなく、そして自分の身体はそんな心とはお構いなしに快楽を追い続けるのだ。
ナカに出されたユダの精は抜き差しを繰り返すたびに、耐えられないほどいやらしい音を出して聴覚からもシンを犯していく。
そしてそのたびにユダを受け入れている己の箇所は無意識にきゅうっとユダを締め付けるのだ。
ユダによって拓かれた身体は、ユダの愛撫を際限なく受け入れてしまう。
たとえ限界を超えていようとも。
「ひぁ…っ…!」
更に腰を抱え込まれて下から突き上げられた。
今まで感じたことがないほどの奥を抉られて、シンが悲鳴を上げる。
つらい。苦しい。でも気持ち良い。
心も体もユダで一杯になり、何が何だかわからなくなる。
「あ…ぁ…、ユダ…ぁ…!」
背中から抱きすくめられ、そして下から激しく突かれてシンの意識は白色に染まった。
くったりと崩れて動かなくなった身体を抱きしめ、ユダはうっそりと嗤う。
涙に濡れた顔が哀れだが、快楽に悶えてむせび泣く顔もまた愛らしかった。
ひどいことをしたと思う。
だが、どんな表情も可愛くてつい止まらなくなったのも事実。
シンの身体は正直だ。
それこそ羞恥の強い心よりも遥かに素直にユダの愛撫に応える。
触れて愛して繋がっていれば、シンの身体が本当に限界かどうかはわかる。
それだけ愛してきたのだ。
ただ若干シンの体力を考えないで行動してしまうことがあり、今が正にそれだった。
ぴくりとも動かないシンは、間違いなく体力の限界を超えてしまったのだろう。
どうやっても受ける側に負担のかかる行為だ。
特にユダの体力はシンに比べれば桁外れで、そのユダが全力を以て挑んできたら、当然のことながらシンは受け止めきれない。
だからこそ普段のユダはシンの体調を慮って行為に及んでいるのだが、流石に今日はできなかった。
乱れるシンを堪能し、その柔らかな肌を愛撫し、思うさまナカを突き上げた。
気絶して当然である。
むしろ明日起きられるかどうか怪しい。
だが、とユダは思う。
最初に言っておいたではないか。『お仕置き』だと。
元からそのつもりなのだから反省も後悔もしない。
「シン」
聞こえないと分かっていて、ユダは殊更優しく愛しい人の名を呼ぶ。
くったりとした身体を胸に抱き、ユダはその頬に口づける。
「これで終わりだと思ってもらっては困る」
くすくすと笑うユダに、応える声はない。
- 11.02.21