Sub menu


異説・とりかへばや物語1


春である。
雪もすっかり解けて梅の花も散り、そろそろ桜の花も満開になろうかという季節。
庭では鶯が囀り、最近めっきり柔らかくなった日差しが室内に差し込んでくる。

「まぁ、うららかな良い朝ですこと」

内大臣家の女房が差し込む光を見て嬉しそうに微笑んだ。
目の前には穏やかな笑顔で庭園を眺める屋敷の若君が鶯の声に耳を傾けながらつい先ほど手折ったばかりの桜の枝を嬉しそうに眺めていた。
内大臣家の嫡男。
つい先日四位中将を賜った将来有望な若君は、鮮やかな金色の髪を陽に晒したままうっとりと新芽が色づく庭園へと視線を向けている。
新調したばかりの直衣に身を包んだ姿は、正に貴公子。
その鮮やかな髪色から『黄瀬の君』と呼ばれる若君は、幼い頃から見慣れている女房であっても思わず目を奪われずにはいられないほどの美しさを備えていた。
特にここ最近の若君の艶っぽさは凄い。
随身に言わせると恋をしているからだというが、どうやらその恋は片恋であるらしいというから女房には俄かに信じられない。
黄瀬の君と言えば宮中でも指折りの人気を誇る公達だ。
生まれも育ちも超一流。
加えて本人の才気溢れる様は将来間違いなく国の中枢を担う人物となるだろうに、そんな彼を袖にする姫がいることがとても信じられない。
身分問わず気さくに話しかける姿は民衆からも人気が高い。
多少奢った発言がないとは言わないけれど、それでも圧倒的に人から愛される若君は、たとえ一晩の相手であっても喜んで引き受ける女性は多いというのに。

若君が恋い焦がれている相手というのはどのような姫なのだろうかと思っていた女房は、彼の姫君が権大納言家の姫君だと知って口を噤んだ。

(よりによって衣通姫に焦がれてしまわれたのか)

衣通姫(そとおりひめ)。
衣服に身を包んでいてもその美しさを隠すことはできないと言われた御伽話の美姫。
現代の衣通姫と呼ばれているのが権大納言家の姫君だ。
女性の名は外に出ることがないため、周囲から『白霞の姫』と呼ばれている姫君の噂は女房も耳にしている。
むしろ貴族階級で知らない者はいないのではないだろうか。

絶世の美女と名高かった母君の美貌をそのまま受け継いだ姫君は、天女もかくやと言われるほどの美姫だと評判だ。
その証拠のように権大納言は可愛い末姫を屋敷の奥深くに閉じ込めて誰にも見せようとしない。
家柄を考えれば帝に入内させることとて可能だというのに、「とんでもない!」と誰にも嫁にやらない宣言を下した始末。
姫の美貌を妬んだ女性達により、美しいというのは噂だけで実質は誰にも見せられない醜女なのだと下卑た噂が広められたりもしたものだが、それでも求婚者は連日のように権大納言家に通いつめている。
たまたま権大納言家の宴に招待された公達が姫君の横顔を垣間見たことがあったのだが、男は姫の美しさに眩暈を起こして倒れ、恋煩いで寝込んでしまったらしい。

「彼女こそが天女の再来。あれほど美しい姫はこの世に2人といないだろう」

倒れた公達が熱に浮かされたようにそう呟いていたせいか、求婚者の列は更に膨らんだ。
かくいう黄瀬の君も求婚者の1人である。
望めば宮家の姫でさえも妻にできる身分でありながら、若干とはいえ格下の家柄の姫君に熱を上げているという事実は内大臣家にとって喜ばしいことではない。
だが、誰もそれを批判しないのは、内大臣家の政敵となり得る左右の大臣家の嫡男もまた、『白霞の姫』に恋い焦がれる同胞だからだ。
右大臣家の嫡男である青峰の君、そして式部卿宮家の嫡男である緑間の君。
どちらも熱心な求婚者で、青峰の君に至っては夜這い未遂すら起こしている程である。

都で騒がれている公達のほとんどを虜にさせている姫君とは一体どういう人物なのだろうと女房は思う。
権大納言家の血を継ぐ男児と言えば氷室の君が有名だが、彼もまた涼やかな美貌の持ち主だ。
洗練された物腰で多くの女性を虜にしている氷室の君に似ているのであれば美姫だという噂も納得である。
だが、兄である氷室の君でさえも妹姫の外見について何も語ろうとしない。
ただ時折妹姫から贈られたという趣味の良い扇子や衣装を身につけて自慢しているようで、彼が妹姫を眼の中に入れても痛くないほど溺愛しているのは確かなようだった。

「はぁ、黒子っち……」

「黒子」とは「白霞の姫」の別名であるらしい。
随分と色気のない呼び名だと思わなくもないが、姫君本人がその名を好んで使っているので文の遣り取りをする人物にとっては「白霞の姫」よりも「黒子の姫」という呼称の方が呼びやすいらしい。
確かに「白霞の姫」という呼び名は周囲が勝手につけた名前だ。
それならば姫本人が使っている「黒子」という名を呼びたくなるのは、恋する男の立場からしたら当然なのかもしれない。

「黒子っちと一緒に夜桜見たいっス……」

ぽつりと呟いた声が聞こえたのは女房ただ1人だっただろう。
夜桜が見たいということは、つまりは夜を共に過ごしたいということ。
わかりやすく言えば妻になってほしいということである。
勿論、幾度となく求婚を却下されている黄瀬にその望みが叶う可能性は限りなく低い。
可哀相な若君、と女房は思う。
天女に恋い焦がれても幸せになどなれないというのに。
恋に焦がれて若干やつれた顔をする若君を前に、女房はひっそりとため息をついた。







   ◇◆◇   ◇◆◇







同時刻。
庭園で囀る鶯の声に耳を傾けながら、少女は不機嫌そうに脇息に凭れかかっていた。
だがそれでも少女の秀麗な美貌を損なわせることはなく、むしろきゅっと結ばれた口元の愛らしさが強調されている。
百人が百人、口を揃えて少女の美貌を絶賛するだろう。
大きな瞳は雲一つない空のように綺麗な青色で、対照的に肌はどこまでも透けるように白い。
小さな唇は花びらの形をしていて、ふっくらと色づいた唇は男なら触れてみたいと思わせる艶があった。
身の丈以上の長さを誇る髪はどこまでもまっすぐで、瞳と同色の色のせいかまるで流水のようにきらきらと輝いている。
表白・裏二藍の白桜と呼ばれる色合わせの袿を羽織った姿はまさに天女と呼ばれるに相応しい出で立ちで、流石は今をときめく二大美女の1人だと、女房達は己の主を誇らしげに眺めた。

権大納言家の末の娘、黒子姫。通称『白霞の姫』。
誰が呼び始めたのかは知らないが、正に目の前の姫を評するに相応しい呼び名だと思う。

新年を迎えて16歳になった少女は、この時代で言うなら嫁き遅れと呼ばれてもおかしくない年齢である。
本来ならば賞味期限を過ぎた女など求婚の対象になどならないのだが、世間一般の常識というものは少女に当てはまらないとでも言うかのように今日も今日とて大量の文が届いていた。
それが少女の機嫌を更に低くしている理由なのだが、今をときめく公達から大量の文を貰うことを嫌い女性などないと思い込んでいる女房達は少女の機嫌が優れないことに気付いていない。

「まぁ、姫様。見てくださいな。黄瀬の君からまた文が届きましたよ。相変わらず見事な蹟でございますこと。一緒に添えられた桜も素晴らしくて、流石は当代一の公達ですわね」
「こちらは緑間の君からですわ。少々気難しそうな蹟ではございますけれど、実直そうで夫にするには最適の方ですわ」
「あら、青峰の君の蹟も男らしくて私は好きですわ」
「青峰の君は駄目よ。いくら姫様恋しと言っても夜這いしてくる殿方は評価できませんわ」
「確かに。そこまで想っていてくださるのは女冥利に尽きますけどね」
「うちの姫様をそのへんの女性と一緒にされては困りますわ」

おほほほほと笑いながら公達からの文を添削している女房に、少女――黒子姫は小さくため息をついた。
多くの文を貰うのはそれだけ人気だということなのだから、この状況は喜ぶべきことなのだろう。 しかも毎日欠かさず文を送ってくる公達は将来間違いなく国を担う人物だ。
結婚すれば将来は安泰、しかもこれほど請われているのだから大切にしてくれることは間違いない。 少女とてそれはわかっている。
だが理屈と感情は別物だ。

「あぁもう、文なんて来なければいいのに」

ポツリと呟いた声は、幸い添削に夢中になっている女房には届いていなかったようだ。
だが、その代わり部屋に入ってきたばかりの男性の耳にはしっかり届いてしまっていたらしい。
くすりと笑う声が頭上から降ってきた。

「相変らずだね、姫。元気そうで何よりだ」
「兄様」

表淡紫・裏濃紫の衣を重ねた白藤と呼ばれる色合わせの衣装に身を包んでいるのは、実兄である辰也だ。
烏の濡れ羽色の如き漆黒の髪と涼やかな目元の下にぽつんと宿る泣き黒子が印象的な美丈夫である兄は、若干20歳という若さで宰相中将に任じられた当代きっての有望株である。
高貴な色とされており着る人を選ぶ紫の重ねを嫌味なく着こなすあたり、実の兄ながら流石だと黒子姫は思った。
彼が好んで使う荷葉の香も嫌味がない。

「あ…まぁ、氷室の君様」
「いらしてたとは気づきませんで、失礼をいたしました」

慌てて頭を下げる女房に辰也はにこりと笑みを浮かべる。

「気にしなくて良いよ。私が勝手に妹姫に逢いたかっただけだから。悪いけど、人払いをしてくれないか」
「まぁ…でも…」
「いくらご兄妹でいらしても、お2人にさせるわけには…」
「そこを何とか。姫に内緒の話があるんだ」
「了解しました」

申し訳なさそうな顔をする辰也に、最終的に折れたのは女房である。
本来ならば男性が元服、女性が裳着を済ませれば親兄弟であろうとも直接顔を合わせることはない。
基本は御簾越し、声をかけることすら許されないというのが常識だが、こちらも権大納言家では通用しない。
姫も嫡男である辰也には懐いていたから邪魔をするのも悪い気がして女房達がしずしずと退出していく。
去る際に直接返事を書かなければいけない文だけはきっちり分別してくれてるのがちょっとだけ嫌だ。
文机の脇にこんもりと積み重ねられている文を見て形の良い眉を顰めたのに気づいて、辰也が姫の頭を軽く撫でる。
姫のすぐ隣に腰を下ろした辰也は、相変わらず減る気配のない文を見て苦笑を浮かべた。

「黄瀬の君も青峰の君も諦めが悪いものだね」
「だったら兄様からも言ってください。ご友人なのでしょう。僕に文を送るなんて時間の無駄以外の何物でもないんですから。他の姫を狙って方が良いですよ、えぇ」
「そうは言うけどね、テツヤ。君は間違いなく兵部卿宮家のさつき姫と人気を二分する当代一の美姫なんだから」
「僕は男です」

ぷいと横を向いて頬を膨らませる黒子姫――テツヤに、辰也はやれやれと肩を竦めた。
テツヤが言う通り、目の前の絶世の美少女の性別は男である。
つまり辰也にとっては妹ではなく弟なのだ。

権大納言家の末弟であるテツヤが姫として育てられているのには理由がある。
生まれた時から虚弱体質だったテツヤが健やかに育ちますようにと、生母が姫の恰好をさせて育てていたことが原因だ。
病弱な男児を姫として育てれば恙なく育つという迷信を頑なに信じた母により半ば強引に決められたのである。
そしてそれを単なる迷信と一笑できなかったのは、他でもない父である権大納言が2歳まで姫の恰好で育てられ健やかに成長したためだ。
乳を含ませれば吐き出し、季節の変わり目には風邪を引き、テツヤは幼い頃から幾度となく生死の境を彷徨っていた。
一縷の望みにも縋りたいと思うのは母として当然の気持ちだろう。

そうして母の我儘を叶えた結果が、これである。

姫の恰好をさせて育てただけならまだ良かった。
成長して健康になれば男児として生きていくのに何ら支障はなかったのだから。
だが、テツヤは10歳前後まで虚弱体質だったため、いつまで経っても女装を解けなかった。
そのため辰也と親しい公達が屋敷に出入りするようになった時に、好奇心にかられた公達が姫姿のテツヤを目撃して恋に落ちてしまったものだから誤解は広まる一方だった。

テツヤ自身も自分を姫だと疑っていなかったものだから誤解が誤解を呼び、気が付いたら「権大納言家には絶世の美姫がいる」という噂が都中を駆け巡ってしまったのだ。
噂というのは恐ろしいもので、いくら誤解だと言っても誰も聞かない。
それなら屋敷にいるのは誰だと言われても、弟ですなんて言おうものならいずれ元服したテツヤは「女装趣味の変態男」というレッテルが貼られてしまう。
可愛い弟にそんな醜聞は味わわせたくないと思うのは兄として当然だろう。

そのせいだろうか、質問されるたびに言葉を濁していくうちに「権大納言家の美姫」は決定的なものとなってしまった。
12歳を超える頃には都中の公達から届いたのではないかという文に悩まされるようになり、15歳を超えた頃には強引に想いを遂げようとする男が屋敷に侵入してくるようになった。
警備を増やしても侵入してくる男は後を絶たず、テツヤの元に辿り着いた不埒者も決して少なくない。
何とか貞操を守れたのは本当に運が良かったとしか言えないだろう。
特に青峰の君には不意打ちとは言え唇を奪われてしまうという苦い記憶があり、テツヤの機嫌はそのころから絶えず悪い。

いい加減テツヤの体調も普通の人と同じくらいに健康になったのだから元服をしたいと思うのだが、こういう事情では元服も儘ならない。
むしろ母は1日でも早く裳着を行い婿を決めるべきと意気込んでいるのだが、彼女は自分が産んだ子供の性別を綺麗さっぱり忘れているようである。
本当にどうしたらよいものか。

「兄様、僕は一体どうしたら良いんでしょうかね。いっそのこと家出しますか。髪を下ろして尼になるしかないんですかね。尼って言っても尼寺からも却下されそうな気がしますけどね」
「落ち着きなさい、テツヤ。今、俺と父上で対策を練っているところなんだから」
「おもうさんは僕を入内させるって言ってるそうじゃないですか。兄様がいくら味方してくれたっておもうさんには勝てるわけないんですから。そうなったら僕は男の身で女装姿を万人に晒して男に嫁入りですよ。そんな辱め受けるくらいなら今すぐこの場で腹かっさばいてやります」
「だから落ち着きなさい。父上がそんな無謀なこと考えるわけないだろう。仮にテツヤを入内させたところで初夜に男だとバレたら一貫の終わり。主上を謀った罪で一族郎党死罪は免れないだろう」
「だって……」
「テツヤの婚姻について多くの公達から声がかかっているのは事実だ。中には宮家の若君もいる。だけど父上も俺もお前を嫁がせるつもりは毛頭ないから。少しは家族を信じなさい」

下手したら本気で切腹しそうな妹――基、弟を落ち着かせるために辰也は必死だ。
何しろこの弟は、見かけこそ天女もかくやと言われているほどに儚い美少女だというのに、中身はやはり男なので思い切りが良い。
更には一度言い出したら聞かない程に頑固な一面もあるために、思いつめたら髪の毛くらいばっさり切りかねないのだ。
切腹されないだけましと思わなければいけないのだろうが、それでも髪は女の命で切ってしまえば俗世を捨てたと思われても不思議ではない。
尼になれば結婚しなくて済むけれど、果たしてこれだけの数いる求婚者がその程度のことでテツヤを諦めてくれるとも思えないので、はっきり言って髪を切るだけ無駄だろう。

本当にもう、我が弟ながら不憫でならない。
せめてテツヤがもう少し身長が伸びていたら。
そうでなくても女装なんて似合わないほど男らしく成長してくれていたらここまでも騒ぎにはならなかっただろう。
16歳と言えば元服して出仕していなければおかしい年だ。
辰也の部下にも15歳の少年がいるが、まだ初々しいながらも彼はテツヤよりも逞しい体格をしていた。
去年元服したばかりの14歳の若宮も、今のテツヤよりも背は高いだろう。
そう、テツヤは病弱だったことが原因で、平均に比べて身長も体格も乏しいのだ。
お陰で女装がこの上なく似合うこと。
兄の目で見ていても、この美姫が男だということは俄かには信じがたい。
むしろ宮中で働く女房達よりも遥かに美しい。
言ったらとんでもなく拗ねるので絶対口には出せないが。

「もう、僕、こんな生活嫌です。男に戻りたい。外に出たい、市にだって行ってみたいです」

さめざめと泣くテツヤに流石に憐憫の情が湧いてくる。
生来病弱だったために女性として育てられているということがどれほど苦痛か辰也には分からないが、良家の子女は部屋に籠って家族にも素顔を見せてはいけないというしきたりがあるのだから窮屈であることは間違いないだろう。
月の3分の2は寝付いている程病弱だった幼い頃とは違い、今のテツヤは体力が有り余っているとは言えないまでも普通の生活をしても支障がない程度には回復しているのだ。
部屋の奥深くに籠りきりの生活はつらいのも無理はない。
更には女装させられているのだからテツヤが逃亡したくなるのも当然だろう。
とはいえ外の知識が皆無のテツヤが屋敷を抜け出したとしても速攻で身ぐるみ剥がれて終わりになることは容易に想像できる。
都の治安はあまりよろしくないのだ。
だが言った所で納得するテツヤではない。

「元気出そうな。今度の葵祭には必ず連れていってあげるから」
「本当ですか?!」

苦し紛れに夏に行われる祭りへ連れて行くと約束すれば、途端に顔を輝かせるテツヤがいじらしい。
生憎辰也には今の生活を変えさせるだけの力は持っていないが、それでも年に一度の祭りに連れ出すことくらいなら可能だ。
特に葵祭りは都でも有数の祭りだ。
貴族の奥方は勿論のこと、宮家の姫すらお忍びでやって来るのだから、引きこもりの末姫が兄と一緒に見物に来ても不思議はない。
人込みでは警備が不安になるけれど、辰也が同乗していれば問題も起きないだろう。
宰相中将という役職は伊達ではない。
何度も話に聞いていて一度行ってみたいと寂しそうに呟いていたのを覚えていた辰也は、嬉しそうに指切りをするテツヤの頭を優しく撫でた。
元服して公達の恰好をしたテツヤもとても似合うだろう。
だがこうして姫の姿で瞳をキラキラと輝かせているテツヤの姿もまた素晴らしく目の保養である。

つまりは、どちらのテツヤだろうと辰也にとっては大事な家族なのだ。
このまま何も起こらず、テツヤが望むように人生が転がってくれればいいのだがと辰也はただそれだけを願った。


  • 13.05.21