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練習熱心な理由


テニス部は変わっているとよく言われる。
…確かに。





準レギュラーでありながら、正レギュラーよりも実力は上と言われている1年生が2人いる。
それは跡部景吾と
この2人の選手としての実力は、テニス部の誰もが認めるところである。
それなのに、何故準レギュラーなのかというと、どうやら部長と監督に何か意図があるらしい。
というのも都大会に参加するのは準レギュラーのみ。
数合わせで正レギュラーが2,3人登録することはあるが、実際に試合をするのはほとんど準レギュラーだ。
ここ数年都大会でシングルス1まで試合が回ったのは、たった一度だけ。
つまり都大会レベルなら、うちの準レギュラーでも十分なのだ。
しかも準レギュラーになる連中は氷帝の中でもそれなりの実力の持ち主だから、はっきり言ってその辺の学校ではポイントを取ることすら難しい。
そんな2人を準レギュラーに置くことで、正レギュラーにプレッシャーをかけようというのだろう。
だがその作戦も、ある意味では失敗だと言っていい。
何故なら2人が強すぎて、「これなら正レギュラーになっても当然」と誰もが思っているからだ。
特にの場合、「正レギュラーになりたい」と言おうものなら、先輩たちは喜んで変わるだろう。
はテニス部の、いや氷帝学園のアイドルだからな。
特に監督と3年生はを猫可愛がりしているから、が喜ぶことなら何でもするだろう。
いや、マジで。
何しろ英国育ちのが「休憩時間にお茶を飲みたい」と言ったら、本当にティータイムが時間に組み込まれた。
普通ありえないだろ?
テニスコートでガーデンパーティーもどきが、週2回開かれるんだぞ?
マイセンだかジノリだかのティーセット(跡部持参)が中学校の部室に置いてあるなんて、常識で考えたらおかしいだろ。
…確かにの淹れる紅茶は美味しいんだけどな。
茶菓子もスコーンとかマフィンとかタルトとか、家のお抱えパティシエが腕によりをかけたものが沢山用意されていて、それもまた普通に売ってるやつよりも数段美味しいんだけど。
何で誰も疑問に思わないんだ!?

と跡部のすることに疑問を感じてたって仕方ねーじゃん」
「そうそう、お菓子おいC〜し」
「あんま気にせんとき?禿げるで?」

…勝手にしてくれ。

どうやらの提案したティータイムは、部員をやる気にしているらしい。
何故なら、参加できる人数が限られているからだ。
いくら何でも200人分の食器など用意できない。仮に用意できたとしても、そんなもの置いておく場所はない。
俺は嫌だ。200個以上も高級食器が並んだ部室なんて。
そして人数分の菓子を用意することも難しい。
作るのも大変だが、運ぶのも大変だ。
ということで、の用意した菓子が食べられるのは正レギュラーと準レギュラー16名と、その他から選ばれた4名の計20人。
残りの奴らは紅茶と数枚のクッキーだけということになる。
初日に人数分の菓子が用意されていたため、皆家のパティシエが作る菓子の味を知っている。
もう一度食べたい、と思っている奴が多いのも当然だ。
レギュラー以外の4名はその度行われる練習試合の結果から決まる。
つまり、食べたければ準レギュラー以上になるか、その日の練習試合で上位に入ればいい。
そのため部員たちは今まで以上に練習に励んでいるらしい。
……動機が不純なんじゃないかと思わなくもないが、結果として部員のレベルが向上していることは確かなので、監督も何も言わない。


これでいいのか、氷帝テニス部!?



「そんなこと言って、自分は毎回から貰ってるくせに」
「そうだそうだ、部活前に食べてるじゃんか!」

滝、岳人、うるさい!!
お前らだって、同じだろうが!!


  • 04.12.12