Sub menu


衝撃のデビュー戦



日本公式戦、デビューです。


衝撃のデビュー戦


初戦補欠。
2回戦シングルス2出番なし。
ようやく準決勝で初めてコートに上がることができる。
今回はシングルス3。
相手が棄権でもしない限り試合ができるんだ。
楽しみだな。

、めっちゃ笑顔やな」
「だって嬉しいからね」

やっぱりテニス大好きなんだなぁって、実感するんだ。
練習も楽しいけど、やっぱり大会ってわくわくするよね。
応援も沢山いて心強いし。

「その笑顔にあちらさんビビッてんで?」
「何で?」

そんなに変な顔してた?
そう言うと侑士はため息をついた。

「相変わらず自覚してへんし」

だから何を?

「まあええ、気にすんな。はそのままでええんや」

…意味はよくわからないけど、ほめてないよね。絶対。
さて、気をとりなおして試合試合。
相手選手は誰かな。
えっと、3年生……かな?
背、高いなぁ。羨ましい。
180cmくらいあるかな?
僕が今165cmだから、15cmの差か。
でも、テニスは身長でするものじゃないしね。



よし、と小さく気合を入れていたら、後ろから景吾が声をかけてきた。

「緊張してる……わけねえかお前の場合。まあ気楽にやってこい」
「うん、頑張る。景吾まで回らないからね」
「当然だろ」

景吾はシングルス2だから、僕が負けたら景吾の試合がある。
でも、きっと大丈夫。

「行ってこい」

うん、行ってきます。


がコートに入った。
相変わらずの笑顔を浮かべているに、対戦相手はひどくやりにくそうやった。
相手校だって氷帝のレベルの高さは知ってるから、みたいなタイプが出てくるのは意外なんも当然や。
他の選手からも人数合わせとかマスコットとか言うてる声が聞こえてくる。
まあ、外見可愛らしいし。
1年生やしちっこいし。
でもな、うちは実力のない奴は上に上がれんのや。
外見だけならマネージャーで十分やろ。
氷帝の準レギュラー、しかもシングルス3を任されてるってこと忘れたらあかんで?
ほら、が『試合モード』に入りおった。
相変わらず表情は穏やか。でも、目つきが違う。
あれは戦う者の瞳。
青灰色の瞳に強い光を浮かべて、じっと相手を見ている。
ただでさえ威力のある眼差しやのに、それは更に威力を増して相手を圧倒する。
普段のの魅入られるような深い眼差しとは違う。
まさに『射抜かれる』ような衝撃。
俺や跡部みたいなタイプなら、そんな視線を向けられたら逆に気合が入るんやけど、ほとんどの奴らはその雰囲気に呑まれる。
そう、この対戦相手のように。
試合をしなくてもわかる。
こいつはには勝てん。
ほら、のサーブに反応することすらできてへんし。
見かけによらない強いサーブを打つんやは。
油断してるとワンサイドゲームになるで?

「勝負あったな」

跡部がそう言った。

「これなら、お前でも勝てるぜ」
「随分失礼やな、自分。まあ、確かにの相手にはならんやろ」

俺でも勝てるかはわからんけど。
気付いたら試合が終わっていた。
所要時間わずか15分。
この瞬間に、氷帝学園の決勝戦進出が決まった。