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遊郭シリーズ番外・青峰編


この話には18歳未満の方が閲覧になるには不適切な内容が書いてあります。
18歳未満の方やBLが苦手な方は閲覧をおやめください。
ご覧になった後での苦情は一切聞きませんのでご了承願います。
大丈夫な方はレッツスクロール。































































































青峰大輝は酒に強い方ではな
かと言って下戸というわけでもなく、嗜む程度には付き合えるし、場の雰囲気とて決して嫌いではない。
だが、彼が同僚と飲みに行くことはほとんどない。
何故かと言えば、同僚の酒癖があまり良くないからだ。
飲んで酔うのは良いとしよう。そのための飲酒だ。
問題は酔ってから後である。
多くの同僚がそうではないが、何故か酒好きに限って騒ぐ・絡む・泣く・吐くのオンパレードである。
ある心理学者などは鬱屈した精神状態が酒精により解放されると言い、酒により理性という枷を失くした状態の今こそが本質だと言う者もいるが、だとしたら青峰は彼らとの交流を一切断たなければならないだろう。
それほどに酒に飲まれた彼らは好きになれなかった。
青峰は気の合った仲間と会話を楽しみながら飲む酒を好む。
それは青峰を良く知る者ならば知っていて当然のことなのだが、生憎仕事上での付き合いでしかない彼らはそれを知らない。
ただ「青峰は酒が好き」という噂を聞いて誘ってくる。
最初こそ付き合いということで幾度か共に飲んだ。
だが結果は同じ。
付き合い切れずに途中で抜け出して1人別の店で飲み直すのだ。
そして今日もまた例に漏れず同じだった。
1つだけ違うとしたら、今日選んだ場所が花街であり、花街随一と言われる帝光苑であったことだけだ。

「青峰、くん……?」

寝入りばなを起こされたテツヤは眠い目をこすりつつ特別室へと足を踏み入れた。
テツヤはつい先日『キセキ専属接客係』という役職に任命された。
それはつまりキセキが来ていればいついかなる状態であろうと接客するということで、たとえ眠っていても彼らが来店すれば叩き起こされるのだ、今のように。
本人も了承済だから仕方ないのだが、それでも彼らがテツヤの睡眠を妨げる時刻に来店するということは今までになかった。
というのもテツヤはまだ15歳の少年。
身体は成長期で十分は栄養と休息は必要不可欠だとキセキの1人である天才医師・緑間真太郎が提言したからだ。
勿論宿泊を兼ねての来店ではテツヤが夜遅くまで接客することはある。
それでも日付が変わる前には眠らせるようにしているし、テツヤの成長を妨げるようなことは決してしない。
彼らのテツヤに対する過保護ぶりは帝光苑どころか花街でも有名なのだ。

そんな彼らの1人である青峰が深夜に近い時刻に帝光苑を訪れ、テツヤを指名するというのは本当に珍しい。
むしろ初めてのことで、だからこそ従業員もテツヤを起こしてきたのだろう。

「よぉ、テツ」
「酔ってますね」

ここ数か月ですっかり慣れた特別室に入るなり漂う酒気に軽く眉を顰め、テツヤは招かれるままに青峰の隣に腰を下ろした。
テーブルの上には空になったワインの瓶が2本転がっている。
青峰がここに来て酒を飲むことは珍しくない。
だがその量は本当に少量、ワインをグラスに1杯とか日本酒を徳利で1〜2本とか、本当にその程度のものだ。
酔うことが目的ではなく嗜む程度だからそれで良いのだと言う。
それ以外はテツヤと一緒に紅茶を飲んだり炭酸水を飲んだりしているから、本当に今日は珍しい。

「お酒ばかりだと身体に悪いですよ。何かつまみになるようなも――――」
「そんなのいいから」

立ち上がりかけた腕を強く引かれて、テツヤは青峰の膝の間に座らされ、そのまま背後から抱きしめられた。
体格的な問題なのか、青峰はテツヤを後ろから抱きしめる体勢を好む。
時々その体勢のまま眠られてしまうことがあるので困るが、背後からすっぽりと抱えられる体制自体はテツヤも嫌いではない。
酒の匂いが気になるのはこの際我慢しよう。

「あー、やっぱテツはいいな。抱き心地も良いし癒される」
「……何かありましたか?」
「別にー」

この様子だと職場関係で何かがあったのだろうか。
テツヤは青峰の職業が軍人であるということ以外詳しいことは知らない。
遊郭で相手の職業を聞くのはタブーだし、何よりも聞いたところでテツヤには分からないからだ。
テツヤができることは青峰の話し相手になることくらいだが、それで良いと青峰が言うのだからそれ以上知らなくても良いのだろうとテツヤは思っている。
テツヤの首に顔を埋めてしまった青峰の頭を撫でた。
背後から抱きしめられているために体勢は少し無理があるが、それ以外にできないのだから仕方ない。
どれくらいそうしていただろうか、やがて青峰が落ち着いたらしく顔を上げた。

「夜遅くに来て悪かったな」
「構いません。でも、明日の朝に寝坊しても怒らないでくださいよ」
「はは。そのくらいならいくらでも許してやるよ」

くしゃり、と髪をかき混ぜて青峰は笑う姿に何となく安堵する。
青峰大輝という人物はいつでも元気なのが一番だ。
落ち込んでいたり悩んでいたりという表情は似合わない。
まぁ、今回は落ち込むというよりは苛立っていたような気がするが、気にしない方が良いだろう。
思い出したくもないだろうし。

背後から拘束されたまま青峰の晩酌(と呼ぶには聊か遅い時刻だが)に付き合っていると、テツヤも喉の渇きを覚えた。
そういえば寝入りばなを起こされてから何も飲んでいない。
睡眠中は意外と水分を消費しているから水でも飲んでおいた方がいいかもしれないとテーブルの上を見るが、いつもは用意されている水差しがどこにも見当たらない。
普段なら水割り用のピッチャーや氷も用意されているのに、今日はワインだったせいかそれすらも見当たらない。
しかもグラスもない。
誰か呼んで持ってきてもらおうと立ち上がろうとした所、またもや背後から腕を引かれて座り込んだ。

「――どこ行くんだよ」

声が若干低くなったのは機嫌が悪くなった証拠だ。
今日は本当に珍しいことがあるものだと思いながらも後ろへ振り返る。

「喉が乾いたのでお水を持ってきてもらおうと思って」
「水だぁ? ここに飲み物あるじゃねえか」
「それはワインでしょう。僕は飲めま――んぐっ」

持っていたグラスの中身を飲み干した青峰の顔が近づいてきたと思った途端に唇を塞がれていた。
突然の暴挙に言葉もないとは正にこのことで、テツヤは自分が何をされているか本気で理解できない。
だから彼の舌がテツヤの歯列を割り侵入してきた時も反応が遅れ、結果として流し込まれた大量のアルコールが喉を通過していくのを止めることができなかった。

「―――っ!」

喉を灼くアルコールに驚いて逃げようとするものの、大きな手がテツヤの顎を捕らえていて顔を動かすこともできないし、塞がれた唇のせいで吐き出すことも叶わない。
体勢の苦しさと無理やり嚥下させられた液体への批判とで涙目になったテツヤは、抗議するべく背後の男へと振り返ったが、二の句を告ぐ暇も与えられず再び唇を塞がれた。
今度は先ほどよりも少量だったが、テツヤが飲み下しても唇は離れず、アルコールで濡れた小さな舌を思う様蹂躙していた。

「っ、ふぅ…はっ、ん……ぅ」
「やべ、テツまじエロい」
「ゃ…あ、お…峰く、ぅ……」

初めての口づけ。更には初めてのアルコールで身体の力は既に抜けてしまっている。
抵抗らしい抵抗もできないまま、テツヤは青峰の口づけを甘受するしかない。
くらくらと眩暈がするのは初めて摂取したアルコールのせいか、それとも青峰の唇のせいかテツヤにはわからない。
くったりと力を失った身体はいつ寝台へ運ばれたかも分からず、そして同じくいつの間に服を脱がされたのかすらわからなかった。

薄い胸に口づけを落とされ、白く細い身体をごつごつとした無骨な手が這い回る。
触れるたびに小さな反応を示す身体をうっとりと眺めながら青峰は無垢な身体を堪能した。
半ば飛んでいる意識では何をされているかわかっていないのか、素直に快楽に酔う姿はあどけない普段の姿とは想像もつかない程に淫らで青峰を愉しませる。

「ゃあ……、っん」
「テツ…テツ、まじ可愛い」

胸の小さな頂を指の腹で押し潰すように愛撫すれば、途端に反り返る身体が可愛い。
未熟な性器を愛撫して、誰も触れたことがないであろう秘所をゆっくりと丹念に解して、そうしてテツヤの身体の奥の奥まで踏み入った瞬間の快感は言葉には言い表せないほどに悦かった。
幼いテツヤのナカは狭くて熱くて、そうして健気なほどにぴったりと青峰を迎えている。
緩やかな抽挿を繰り返していけば聞こえてくる甘い喘ぎ声に、押さえ込んでいた劣情が溢れてくる。
思う様内部を抉り、無垢な身体に快楽を刻み付けた。
強い快楽に耐えきれずに泣き出したテツヤを宥めるように口づけを落としながらも、下肢では抉るように抜き差しを繰り返して更なる快楽を教え込んでいく。

「やべ、これ癖になる……っ」

テツヤは少年で、青峰を愉しませる豊満な胸もないというのに、甘い喘ぎ声と男を包み込む内壁の具合の良さと言ったら、間違いなく今まで抱いたどの遊女よりも絶品なのだ。
外見の愛らしさも含めて、陰間に転職した日には多くの客がテツヤを求めて列を為すだろう。
一度でも味わったら病みつきになること間違いなしだ。自分が保証する。

「まぁ、そんなこと俺がさせないけどな」

テツヤを初めて抱いたのは自分なのだ。
他の誰にもテツヤを抱く権利を与えるつもりはなく、これから先も手放すつもりはない。

「やぁ、ん、もぅ、駄目ぇ…っ」
「お前は俺のもんだからな、テツ…愛してるぜ」

快楽に蕩けきった顔で縋りつくテツヤの耳元で愛を囁き、青峰はテツヤの身体に自分を刻み付けるべく欲望を吐き出した。










「――ん、青峰くん」

「んあ?」
「起きましたか? そろそろ時間ですよ」

甘い声で囁かれ、青峰は眠りの世界から呼び起こされた。
目の前にいるのは、つい昨夜己のものになった可愛い恋人。
無防備に自分を見つめる姿は相変わらず可愛い。いや、いつにも増して可愛い。

「テーツ」

朝の挨拶とばかりに唇を寄せれば、不思議そうに大きな瞳が瞬かれる。
何て可愛いんだ俺の恋人と満足していた青峰は、その後鳩尾に喰らった衝撃に意識を飛ばしかけた。

「何寝ぼけてやがるんですか。いい加減に起きないと遅刻するんじゃないですか」
「テ……ツ……、ちょ……」
「どんな夢見てたか知りませんが、早く起きてください。折角厨房の人が作ってくれた朝食が冷めちゃうじゃないですか」

ぷんすかと怒りながら寝台から下りたテツヤの姿は昨夜と同じ格好で、慌てて見下ろした自分の姿も昨夜と同じだ。
脱いだ形跡もなければ備え付けの夜着に着替えた形跡すらない。

あれ? ってことは昨夜のあれやこれやは全部夢?
羞恥に震えるテツヤとか愛撫に啼くテツヤとか、青峰のアレを受け入れて可愛く喘いでいたテツヤとか全部夢の中の出来事?

「…………………………嘘だろ?」

あまりにもリアル過ぎて夢だと判断するのは難しい。
だってこの手にはテツヤのぬくもりを今でもはっきりと覚えているし、下半身直撃の啼き声とか今でも余裕で脳内再生可能だ。
そんな馬鹿なと言いたいところだが、昨夜あれだけ責めたテツヤがケロリと仕事していることを考えれば現実だと言い切れないのも事実。
むしろ初体験を済ませたばかりの身体であそこまで見事に動けたら、それはそれであっぱれだ。
とは言ってもテツヤの体力を考えたらそんなことは不可能なので、やはり夢だったのだろう。
何という勿体ないことを。



「……なぁ、テツ」
「何ですか?」
「一回でいいからヤらねえか」
「死んでください」


  • 13.03.06