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主成分は甘味


和菓子って素晴らしい。



その一言に尽きる跡部です。こんにちは。

とろ〜り黒蜜のかかった餡蜜。
柔らかい弾力と風味豊かな黄粉がかかった葛餅。
もちもち美味しい蓬団子。

とどめとばかりに、最高級抹茶を使った抹茶尽くしのパフェ。
本当にもう、生クリームの絞り方1つまで何て芸術的なんでしょう。
日本て素敵(感涙)。

そんなこんなで食べ歩きツアー2日目です。

「はい、景ちゃん。あーん」
「あーん」

先程並んで買ってきた鯛焼きを景ちゃんに差し出すと、景ちゃんがぱくりと食べます。
子供なので量は食べられないため、1つの鯛焼きを景ちゃんと半分こなのです。
本当は半分に割った方がいいんだろうけど、あつあつの鯛焼きを半分に割る勇気は私にはありませんでした。
それと、半分に割ると多分間違いなく景ちゃんは私に頭の方をくれるだろうから、その予防策でもあります。
実は私は尻尾派なんですよ。
尻尾側の方が皮がパリッとしているので好きなんです。
なので頭の方は景ちゃんに食べてもらおうというわけです、はい。

私も一口。
うん、皮が薄くてパリッとしていて、中の餡も品のいい甘さです。
黒胡麻餡にしたけど大正解だったなぁ。
5歳児(しかも見た目が外国人)が食べるには渋い選択だったみたいで、レジのお姉さんが一瞬固まってましたが。

様、お口が汚れてますよ」
「あ、本当だ。ありがとう芹澤さん」

そう言ってウェットティシュを差し出してくれたのは、お父さんの秘書の芹澤さん(28歳独身、眼鏡の似合うイケメン)です。
子供たちはともかく、一応仕事で来日したお父さんはどうしても外せない会議とやらで現在ホテルに缶詰め中です。
その際逃亡防止にお母さんも同席。
お父さんの仕事に対する態度が何となく垣間見えた瞬間でした。
会議は数時間で終わるからと子供たちは部屋で待機させられそうだったのですが、折角の日本をに満喫させたいと景ちゃんが駄々をこねて、結果お父さんの秘書である芹澤さんがお目付け役兼護衛ということで同行しているのです。

実はこの芹澤さん、どう見ても文系人間なのに剣道柔道空手合気道すべて2段というとんでもない武道派なのです。
一応良家の子息子女ですからね。誘拐対策とかあるので芹澤さんはそのへんのSPなんかより頼りになります。

まぁ、外国人にしか見えない子供2人とスーツ姿の美青年の組み合わせは、鎌倉の観光地にはとんでもなく浮いていましたが、そのへんの視線はもはや気にならなくなりました。
だって家族を含めて私の周囲は何かと人目を引く人が多いんです。
嫌でも慣れますよね。

もう一口鯛焼きをぱくり。
うん、やっぱり美味しい。
ちなみに今は近くの茶屋の椅子に座らせてもらってます。
やっぱり歩きながら食べるのは抵抗あるのです。
私がじゃなくて景ちゃんがですけど。
で、鯛焼きを買ったはいいもののどうしようかなぁときょろきょろしていたら、お向かいの茶店のおばあさんがここ座って食べなさいよーと席を用意してくれたので甘えちゃいました。
しかもお茶までもらっちゃって、ありがとうございます。

「芹澤さん。お父さんどのくらいで会議終わるのかなぁ」

私の質問に芹澤さんは腕元の時計をちらりと見る。
いかにも有能な秘書という感じが格好いいですね。

「そうですね。進行具合にもよりますが、あと1時間で終わるでしょう。社長の忍耐もそれが限度ではないかと」
「お母さん置いてきたんだから、ちゃんと話進めてくれないと困るよ」
「社長はご家族を何よりも大事にされてますから」
「でも仕事を最優先してくれないと社員は路頭に迷うよ。僕はそんな無能な社長いらないな」
「景ちゃん…」

相変わらずお父さんには厳しいですね。
まぁ、なんだかんだ言っても景ちゃんはお父さんを尊敬しているので何も言いませんが。
でも確かにお父さんの家族ラブ度は半端ないのです。
今朝の会議も芹澤さんが止めなかったら綺麗に忘れて一緒に出掛けてただろうし。
むしろ知っていて無視したような気がします。
いくら気が進まない会議だからってさぼりは駄目です、さぼりは。

さて、お腹もふくれたことだし、そろそろホテルに戻ろうかな。
いつまでも芹澤さんを突き合わせるのも申し訳ないし、やっぱりこういう観光は家族揃っての方がいいよね。





何て思っていたのですが。





ホテルに戻った途端チェックアウトが済まされそのまま車に押し込まれて移動ってどういうことでしょうかね。

物凄くいい笑顔のお母さん、説明お願いします。


  • 11.02.02