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家庭の事情、再び


皆様、こんにちは。
5歳児にあるまじきタイムスケジュールでカナダをあちこち転々と移動させられたお陰で見事入院してしまった私こと跡部ですが、何とか無事に退院することがきました。
健康って素晴らしい。
外の空気万歳。

とりあえずあのフランス人ヴァイオリニストは当分許さないけどね。

そんなわけで帰宅の車の中なのですが…。

あのですね、何となく嫌な予感がするんですよ。
景ちゃんの至れり尽くせりの対応はいつものことなので放っておくことにして、問題は多忙で入院中もほとんど顔を見せなかった父が迎えに来ているってことと、母の機嫌がとてもよろしいということが問題です。
うちのお母さんはいつでもどこでも笑顔の人なのですが、身内の勘というやつでしょうか。
その中でも更に上機嫌な時ってわかるんですよね。
そんなに私の退院が嬉しかったのか、倒れちゃって申し訳なかったなと思ったのも最初のうち。

帰りの道が違うんじゃないかなと気づいちゃったんです。

これってあれですよ。
忘れもしない2歳の時、発作で入院した私を迎えに来た車がそのまま空港に向かったのと同じ予感がします。
だって向かう先はどんどん都市部から遠ざかってるもの。
閑静な道路だけど空港までの距離が道路標識に書かれてるもの。

そして車は間違いなくその方向に進んでいるんだもの。

「おとうさん、もしかして…」
「お、は気づいたのか。流石俺の娘」

はい、ビンゴでした。

今度は日本ですってよ。
しかも帰国じゃなくて一時帰国。
仕事の都合らしいけど、どうせなら空気の悪いロンドンよりも日本の空気を吸わせてみたら喘息も良くなるんじゃないかなという単純な理由だそうです。
私と景ちゃんは家庭教師に頼んでるから幼稚園の心配とかしなくていいけど、でもいきなりすぎですよね。
カナダでこれでもかってくらい飛行機乗せられた私としてはなるべく乗り物乗りたくないんだけどなぁ。
でも久しぶりの日本行きを喜んでいる両親にそれを言うのも憚れます。

「あまり滞在日数は取れないんだけど、東京に近いところならどこにでも連れていってあげられるよ。鎌倉なら近いし情緒あるしいいんじゃないかな」
「鎌倉!」

景ちゃんの言葉に一気にテンションが上がります。
鎌倉。久しぶりだなぁ。前の人生で小学校の修学旅行で行ったきりだから、かれこれ11年ぶりかも。

「鶴岡八幡行って報国寺で竹林見ながら抹茶飲んで、そのあと美味しい和風スイーツ食べましょうか」
「お抹茶飲みたい! いいの?!」
「勿論。のために沢山調べたんだから。お姫様が行きたいところならどこにでも連れていってあげるよ」
「わぁ。景ちゃん大好き!」

景ちゃん、それ絶対6歳児のセリフじゃないよとか思いつつ、嬉しかったのでそのまま飛びつきました。
久しぶりの日本。そして鎌倉。絶品和風スイーツ。
前の土地からは遠かったから東京も鎌倉もほとんど行ったことがないからすごく楽しみ。

え? 突然の一時帰国に呆れてたのはどうしたって?
そんなの本場の和風スイーツとは比べものになりませんよ。
あぁ、抹茶アイスLOVE。
ほうじ茶ラテにあんみつ。
鯛焼き、どら焼き、とろーり黒蜜のかかった葛きり。
一体いつになったら食べられるんだろうと思っていた、私の愛しいスイーツたち。

はい。実は相当の和菓子フリークなんです私。

跡部家はご覧の通り日英混合なので基本的な食事は洋食が多く、勿論お菓子もケーキやマフィンなどの洋菓子がほとんど。
しかも普通の食事が食べられる前に渡英しちゃったもんだから、和食を食べられる機会なんてほとんどなく。
ときどきシェフが作ってくれるけど、でも流石に和菓子までは難しいらしい。
テレビで紹介されたり日本の雑誌に綺麗な和菓子乗ってると、もう食べたくて食べたくて。
ようやくその機会が訪れたんだから、飛行機で15時間なんて耐えてみせましょう。
どうせ寝ちゃうんだし。
退院前に飲んだ喘息の薬が良い感じに眠気を誘うんです。

ということで、みなさん。
しばらくお休みなさい。


  • 11.01.29