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病院にて


こんにちは皆さん、跡部です。
現在入院中です。
お金持ちの美少女(自分で言うな? ご尤もです)は身体が弱いというのはデフォなんでしょうか。
前世では病気なんて無縁だったばかりか、家族や友人から「あんたの身体はガンダニウム合金で出来てるんじゃないの?」と言われるほど頑丈だった私ですが(「私は新型モビルスーツか」とつっこんでみたのですが、2階のベランダから頭から落下した時にもたんこぶだけで済んだ私の台詞は残念ながら軽くスルーされてしまいました)、今回の身体は平均と比べても少々弱いみたいです。
と言っても軽い喘息を患っているだけなのですが、幼い身体に喘息はきついですよ。
軽く死に掛けましたからね。
実は母も先天性の喘息持ちだったらしく、私は外見だけでなく見事に体質を受け継いでしまったようです。

景ちゃん4歳の誕生日の3日後、突然の発作に襲われた私に大慌てしたのが、一緒のベッドで眠っていた景ちゃんでした。
母は基本専業主婦なのですが、丁度この夜はどうしても外せないパーティーがあるということで両親揃って外出していて不在だったのです。
止まらない咳と気管支から漏れる喘鳴音に、この世の終わりの如くパニックになった景ちゃんが救急車を呼んでくれたお陰で、私は主治医のいる病院へ運ばれ、そのまま入院させられました。
初めての発作だったので症状は重かったのですが、どうやら悲観するほど重症なものではなかったようで、成長すれば自然と治まるものらしくてひと安心です。
せっかく生まれ変わったのに呼吸困難でまたもや死亡かよと思ったのは、この際内緒にしておきましょう。
うん、また家族に大泣きされても困りますからね。特に景ちゃん。
子供の涙ってそれだけで武器じゃないですか。
しかも彼、無駄に造作が整ってますからね、破壊力は抜群です。
泣き喚くでもなく、ただ大きな瞳からボロボロと涙を零す姿は本当に痛ましいですよ。
あまりの苦しさに失神した私がいけないんですけどね。
あれにはびっくりしました。
大丈夫だよと言っても余計酷くなるばかりで、いやもう本当にどうしたらいいもんかと。

現在は経過を見るために入院中なのですが、3日もいれば流石に飽きてきます。
一応個室(無駄なお金を…)だし、ホテルの一室みたいに豪華なので居心地が悪いわけではないのですが、やはり住み慣れた我が家が一番。

それに何より…。

「景ちゃん、ほいくえん行かなくていいの?」
「いい。そんなことよりの方が心配」

病院に運ばれてからずっと、景ちゃんが離れてくれません。
完全看護の病院だというのに、何故か景ちゃんも一緒。
子供にあるまじき弁論で病室にもう1つベッドを運ばせて家に帰らないのです。
主治医や看護士さんたちは「妹想いの優しいお兄さんね」と好意的ですが、病院のルールとしてそれどうよって思うのは私だけでしょうか。

検査の結果が出て、激しい運動をしなければ日常生活に特に問題なしというお墨付きをもらい無事退院するまでの1週間、景ちゃんは私から片時も離れませんでした。

それを嬉しいと思ってしまうあたり、私も大概ブラコンだなぁと思います。


  • 10.07.12