初めまして、皆様。
私、と申します。
享年は花も恥らう18歳でした。
え? はい、享年です。
しょっぱなから享年って何だってことですよね。
私もそう思いますよ。
私の人生なんて話せば長いようで短く、深いようで浅く、そして深刻なようでそうでもない、まぁごく普通の人生だったんですけど、いくら何でも18年の人生ってあんまりだと思いませんか?
でもね、事実なんです。
あれは忘れもしない3日前のことです。
実は私、私立の高校3年生なんぞやっていましてですね。
高校生活最後の部活動に勤しんでいたんです。
部活はテニス部です。
不肖ながら部長を務めさせていただいてました。
え? 見えない? よく言われます。
でも、こう見えても結構強いんですよ。
3日前のインターハイでは、見事準優勝でした。
努力は裏切らないものですねぇ。
6年も続けていればそれなりに上達するという良い証明です。
努力は人を裏切らないし、根性出せば何とかなるもんなんです。
まぁ最後の最後で足がもつれて転倒してしまい優勝を逃してしまったものの、全国2位の成績は十分頑張った甲斐があるというもの。
悔いが残らないかと言われれば嘘になりますが、団体戦は見事に優勝したからまあいっかとご機嫌で帰宅をしたのです。
実は顧問と賭けをしてましてですね。準優勝でもケーキバイキングご馳走してくれることになってたんです。
場所の指定はされてなかったからヒルトンホテルのバイキングに決定だーい、先生ご馳走様ーとか思いながらウキウキワクワクしつつ信号が変わるのを待って(ここ重要)道路を横断していた時。
飲酒運転の車にはねられてしまったんですよね。
しかも酒気帯びなんて甘いもんじゃないです。
えぇ、あの男(20代前半くらいのチャラ男でした)は缶ビール煽りながら車を運転していたんですから。
飲酒運転現行犯、むしろ危険運転致死罪が妥当です。
テニスをやっていたせいか、動体視力はばっちり優秀なんです。
しっかり見ましたよ。
缶に描かれた第三のビールの銘柄を。
まさかって思いませんか。
勿論私も思ったし、吹っ飛ばされている最中も「えぇぇぇぇ?! これってマジ?! 何で私が被害者?!」とか思ってましたよ。
何せ私の人生設計では80歳まで生きる予定でしたから。
とりあえず痛みを感じないことだけが救いでした。
法定速度越えの車に撥ね飛ばされるって結構な衝撃だと思うんですよ。
痛覚があったらとんでもない痛さだったんじゃないかと思うので、この時ばかりはショックで痛みを感じなかったことを有難いと思ったことはありません。
友人の悲鳴やら足音やらが遠くで聞こえる中、「あぁ、これは死んだかな」と思った私の思考って間違ってないですよね。
それでもきっちり車の車種とナンバーを暗記できた私は偉いと思います。
何で死にかけてるのにそこまでするかって?
愚問です。
生き返るつもりだったからに決まってるじゃないですか。
だって18歳ですよ。
それまでテニスに青春を捧げてきて、ようやく引退になったんだから恋愛の1つや2つもしてみたいじゃないですか。
それなのにこんなふざけた終わり方って冗談じゃないですよ。
死ぬ気がないんだから生き返ることだって可能だと、私独自の理論をぶちかまさせてもらう気満載だったんです。
人間、根性出せば何とかなるはず。
ということでちょっと頑張って蘇生してみようかと思います。
生き返ったらあの男をフルボッコにして、一生車なんて運転できないような身体にしてやるつもりです。
- 10.06.26